スミマセン・セーショナル!
- rowiko2
- 1 日前
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本記事は、2025年8月18 日に英語で公開されたものです。
先週、私はイギリス人の「謝罪反射(apology reflex)」についてお話ししました。見知らぬ二人がぶつかった瞬間、「いえ、私が悪かったんです!」「いえいえ、私こそ!」という決闘(デュエル)に突入し、どちらかが礼儀正しさのあまり息絶えるか、電車を逃すまで続くという、あの愛すべきオリンピック競技のことです。
では、日本はどうなのかって?
ここは少し違います。通りで誰かとぶつかったら、たいていは素早い「すみません」か「ごめんなさい」、そして首が攣(つ)ったのかと見間違えるほどのかすかなお辞儀があるくらいです。それだけです。20ラウンドも続く謝罪マラソンはありません。一撃必殺。バン。終わり。効率的です。
実際、本当に混雑した場所では――信じてください、東京にはそんな場所がたくさんあります――言葉さえ省略され、顕微鏡がないと角度が測れないほど小さなお辞儀だけで済ませることもよくあります。そうすることで人の流れを止めず、お互いに平身低頭し合う「喜び」を省いているのです。
これは実にもったいないことです。なぜなら、日本語には驚くほど豊富な「謝罪のビュッフェ」が用意されており、その丁寧さのレベルはシュールなほど広範囲に及ぶからです。カジュアルな「My bad(悪いね)」から、歌舞伎のクライマックスにふさわしい言葉による自己処罰を伴う、シェイクスピア劇のような悲劇的な後悔まで、選び放題なのです。

では、少しだけテイスティング・メニューをご紹介しましょう。
カジュアルな謝罪
(別名:「おっと、肘が買い物袋に当たっちゃった」レベル)
ごめん (Gomen):Sorry。(カジュアル。友人や家族に)
ごめんね (Gomen ne):Sorry。(カジュアル。より柔らかい響き)
ごめんなさい (Gomen nasai):I'm sorry。(より丁寧。見知らぬ人にも使える)
悪い (Warui):My bad。(悪いね)
すまん (Suman):Sorry。(ただし非常にマッチョ。男性限定)
悪かったね (Warukatta ne):My bad, huh?。(カジュアル、フレンドリー)
ちょっと悪かった (Chotto warukatta):I was a bit wrong。(ちょっと悪かったな)
丁寧な謝罪
(別名:「スタバで割り込んじゃいました、ご先祖様を呪わないで」レベル)
すみません (Sumimasen):Sorry / Excuse me.
申し訳ありません (Moushiwake arimasen):I have no excuse.(言い訳の余地もありません。非常に丁寧でフォーマル)
申し訳ございません (Moushiwake gozaimasen):I am terribly sorry.(極めてフォーマル)
超フォーマル
(別名:「うっかりあなたの生命維持装置のプラグを抜いてしまいました」レベル)
お許しください (O-yurushi kudasai):Please forgive me.
どうかご容赦ください (Douka go-yousha kudasai):Please kindly excuse me.
失礼いたしました (Shitsurei itashimashita):Excuse my rudeness.(失礼をいたしました。謙虚な謝罪、ビジネスでよく使われる)
大変申し訳ございませんでした (Taihen moushiwake gozaimasen deshita):I am deeply sorry.
心よりお詫び申し上げます (Kokoro yori owabi moushiagemasu):I sincerely apologise, with my soul on the floor.(魂を床に擦り付けて心から謝罪します)
ご迷惑をおかけして申し訳ありません (Gomeiwaku o okake shite moushiwake arimasen):I most sincerely apologise for the inconvenience caused to you.
ビジネス・アポカリプス(黙示録)レベル
(別名:「私個人が日本経済を沈没させました」レベル)
この度はご不便をおかけし、誠に申し訳ございませんでした (Kono tabi wa gofuben o okake shi, makoto ni moushiwake gozaimasen deshita):I sincerely apologise for the inconvenience caused this time.
私の不注意でご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます (Watashi no fuchuui de gomeiwaku o okake shi, fukaku owabi moushiagemasu):Due to my carelessness, I deeply apologise for the trouble caused.
至らぬ点が多々あり、大変申し訳ございませんでした (Itaranu ten ga tata ari, taihen moshiwake gozaimasen deshita):There were many shortcomings, and there was no excuse for them.
そして、もし本当に全力を尽くして謝りたいなら、こんなものを試してみるのもいいでしょう。
「大変、誠に申し訳ございませんでした!この度は私の超絶不注意と、無限に至らぬ点が山ほどあり、ご迷惑の嵐を巻き起こしてしまい、心の底から土下座してお詫び申し上げます。次回こそは宇宙規模でミスゼロを目指しますが、もしもまた奇跡的にやらかしてしまった場合は、どうか地球滅亡レベルの怒りはお控えいただき、笑顔で許していただければこれ以上の幸せはございません!反省はしますが、泣き笑いしながら、また頑張りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます!!」
(英語への直訳:本当に、心から申し訳ありません! 今回は私の超・極度な不注意と無限の至らぬ点の山により、トラブルの嵐を引き起こしてしまい、心の底から平伏してお詫び申し上げます。次回こそは宇宙規模でのミス・ゼロを目指しますが、もし奇跡的にまたやらかしてしまった場合は、どうか地球を破壊するレベルの怒りはお控えいただき、笑顔で許していただければ、これ以上の幸せはありません! 反省はしますが、泣きながら笑いつつ、また頑張りますので、どうか引き続きのご支援をお願い申し上げます!!)
というわけで、次に東京でうっかり誰かの足を踏んでしまった時は? 選択肢はたくさんあります。
素早い会釈。
きちんとした「ごめんなさい」。
あるいは、「宇宙規模でミスゼロを達成する」と誓う3ページのエッセイ。
あなた次第です。でも、まずは小さく始めることをお勧めします。






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