「矛盾」に満ちた国
- rowiko2
- 2025年12月12日
- 読了時間: 7分
本記事は、2024年9月24日に英語で公開されたものです。
今月で、ピカピカの新妻(日本人)と共に日本に不時着し、新生活を始めてから28年が経ちます。地球の裏側の国に何を期待すべきか全く見当もつきませんでした。経験といえば、数週間の休暇旅行だけ。知っていたのは車と電化製品の製造大国であり、子供の頃のお気に入りのアニメ『アルプスの少女ハイジ』の故郷(※アニメ制作の意)であることくらいでした。
リスクはあったか? もちろんです。冒険だったか? その通り! でも、人生は冒険に満ちていて、それが人生にスパイスを与えてくれるものですよね?
アルプスの少女がフランクフルトの賑やかな街で刺激的な新しい冒険に乗り出したように、私は極東へと旅立ちました。待ち受ける未来への不安を胸に抱いて。
日本は魅力的でありながら、不可解な場所だとすぐに気づきました。これほど、馴染みのあるものと全く異質なものが奇妙に混ざり合った国は他にはありません。
一見すると西洋化(というよりアメリカ化)されているように見えますが、騙されてはいけません。すべてを理解したと思った矢先、予期せぬ瞬間に日本はガツンと頭を殴ってくるのです――たいてい、一番油断している時に!
この28年間、私は比喩的な意味で何度も頭を殴られてきました。それは決まって、私が「ようやく全て理解できたぞ」と愚かにも思った瞬間でした。

日本は様々な文化を取り入れ、ひねりを加えて、日本独自のものを作り出す達人です。
例えば、マクドナルド。店舗数はアメリカに次いで世界第2位であり、西洋文明の象徴のような存在ですが、メニューには驚かされるかもしれません。「月見バーガー」、「サムライマック」、あるいは「ピカチュウ」のデザートはいかが? そう、読み間違いではありません。デザートにピカチュウです!
55,000店以上のコンビニと数多くの24時間スーパーがあり、昼夜を問わず実質何でも手に入ります。しかし、ATMでお金を引き出そうとすると、朝7時から夜9時の間にしなければなりません。夜は閉まってしまうからです。「営業時間中に銀行に行かなくても、いつでも現金の預け入れや引き出しができる機械」というATMの定義を考えると皮肉な話です。
まあ、日本の定義は違うのでしょう。多分、日本のATMには美容のための睡眠が必要なのです。
日本では依然として現金が王様です。キャッシュレス決済やカードを使える店は近年大幅に増えましたが、現金しか使えない場面に遭遇することはまだ容易にあります。
1996年、妻と中古車販売店へ車を2台買いに行った時の驚きを想像してみてください。札束で支払うよう求められたのです! クレジットカードをスワイプするだけだと思っていたのですが(限度額が足りたかは別として)。銀行振込の方が実用的で安全ではないかとも思いましたが、犯罪率が極めて低いこの国では、多額の現金を引き出した後に銃を突きつけられて強盗に遭う可能性は低いので、現金の入ったスーツケースを持ち歩くこともそれほど大したことではないのかもしれません。
請求書の支払いも現金が支配しています。口座振替も一般的になりましたが、紙の請求書が届き、コンビニで現金払いというのもまだ広く行われています。税金でさえそうです。私は靴下入れに数万円相当の現金を保管する習慣はないので、請求書が届くたびにまず(もちろん夜間以外に!)ATMへ行き、現金を引き出し、コンビニの機械にお金を入れ、店員さんに支払いの証明となる「ハンコ」を領収書に押してもらうというプロセスが必要です。
これが日本です。ATMには就寝時間があり、ピカチュウがデザートとして出てくる国。退屈する暇はありません!
東京のペースの速い、テクノロジーに精通した社会のイメージからは、日本が未来のワンダーランドだと思うかもしれません。しかし、ちょっと待ってください! ハイテク魔法は主にエンターテインメント業界の話であることが分かります。日常生活におけるテクノロジー事情は、時にレトロなフラッシュバックのように感じることがあります。
政府の最善の努力と「デジタル大臣」(はい、本当にそういう役職があるんです!)の任命にもかかわらず、日本はいまだに愛するFAXとハンコを、まるで最新ガジェットであるかのように手放そうとしません。
なぜかって? まず、日本の人口の30%が65歳以上です。彼らは1980年代からFAXを使っており、変える理由がないのです。
セキュリティの観点もあります。電話回線を使うFAXは、ハッキングされる可能性のあるメールより安全だと見なされています。紙がゆっくりと機械から出てくる様子ほど「安全」を物語るものはないですからね。
しかし最大の理由は「紙」です。大量の紙です。企業も役所も紙の書類と個人のハンコが大好きです。日本で契約を結ぶにはハンコが必要です。FAXならハンコを押して、埃っぽいキャビネットに保管できるので完璧なのです。
ですから、2021年にデジタル大臣がFAXとハンコを追放しようとした際、何百もの官公庁がこぞって「いいえ、無理です」と言いました。
電子署名? 信頼できるハンコと紙の記録を好む多くの企業にとっては、まだ夢物語です。
そして「電子帳簿保存法」があります。2024年から電子取引の記録は電子的に保存しなければならないという法律です。理論上は。
実際には、企業は古き良き紙に固執することが可能です。電子書類保存に関する当初の厳格なルールがあまりに厳しく、企業が対応できなかったため、政府は制限を緩和し続けました。今では公式な期限はなく、事実上の猶予状態ですが、政府はそれを認めたがりません。
つまり、FAXとハンコはなくなりません。パンデミックでさえ、それらを歴史の教科書に追いやることはできませんでした。
しかし進歩はあります。2024年7月、日本はついにフロッピーディスクへの勝利を宣言し、すべての政府システムから撤廃されたと発表しました。フロッピーディスクドライブが2000年代初頭に廃止されたことを考えると、彼らのPCはいったい何年前のものなのか不思議になりますが……。
これら全てが、超近代的な伝統主義者の国のコントラストと矛盾を浮き彫りにしています。過去と未来が予期せぬ形で衝突する日本へようこそ!
ここでは、着物姿で日傘を差し、もう片方の手にはハローキティのiPhone 16を持った若い女性を見かけることができます。
静かな人々が騒音の中で生きている国でもあります。電車の中は不気味なほど静かで、乗客は会話や通話を避けます。コンサートも開演前は静まり返っています。しかし一歩外に出れば別世界です。選挙前には拡声器を積んだバンが近所を走り回り、廃品回収車のアナウンスが流れます。そして日本の居酒屋? ビールが進むにつれて騒音レベルも上がっていきます。
ここは他では見られないほど極めて礼儀正しい国です。しかし外国人としては、ドアが目の前でバタンと閉まって驚くことがあるかもしれません。「次の人のためにドアを押さえておく」という習慣があまりないからです。もし誰かのためにドアを押さえてあげたら、驚いた顔をされるのを覚悟してください!
ドアが閉まるのはまだしも、私が本当に理解できないのは、自動で閉まるドアを私の前で通った人が、わざわざ手で引っ張って閉めようとする時です。「頑張れよ、相棒! 後は自分でなんとかしな!」とでも言うかのように。
そして「レディーファースト」も忘れてください。日本では、エレベーターでは女性がボタンの近くに立ち、男性のためにドアを開けておき、最後に降りるのが一般的です。
これが滑稽な状況を生みます。想像してください。私が女性とエレベーターに乗っています。私はドアの片側に立ち、「開く」ボタンを押して反対側の女性に先に降りるよう合図します。一方、彼女の指も同じボタンの上にあり、私が降りるのを待っています。お互いに譲らず、相手のジェスチャーを受け入れようとしない、礼儀正しい膠着状態(スタンドオフ)です。まるで「礼儀の決闘」ですが、どちらも先に銃を抜こうとはしません!
私の中の紳士は育った原則を捨てることを頑なに拒否しますが、それでもこの決闘にはよく負けてしまいます。そうしないと永遠に――少なくともビルが閉まるまでは――エレベーターに閉じ込められてしまいそうですから。
矛盾の国へようこそ!






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